シンポイント社 メキシコ工場の販売拡大、マレーシア工場は量産開始を延期


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2025-09-26

米中貿易摩擦の影響下において、シンポイントはメキシコ工場を活用し、顧客に対して生産拠点の多様化を提案。高関税の回避や現地生産への対応を進めることで、危機をチャンスへと転換しました。その結果、メキシコ工場の平均月間売上は増加し、2025年6月は1月比で40%以上の伸びを記録しました。現在もメキシコから米国への輸出は無関税の優位性を維持しており、北米市場の拡大において大きな追い風となっています。

一方、中国から米国への輸出には依然として42.8〜44%の関税が課されています。もっとも、2025年11月11日までの段階的合意により追加関税は30%に引き下げられました。また、2025年8月1日からはマレーシアに対する対抗関税が25%から19%へと減少し、同国から米国への輸出関税は従来の30.3〜31.5%から24.3〜25.5%へと下がっています。

ただし、中国からの輸出とマレーシアからの輸出の関税差は18.5%程度にとどまるため、プロジェクト移転コストを総合的に考慮した結果、米国顧客は既存量産品のマレーシア工場への移転を見送る判断をしました。その代わりに、新規案件をマレーシア工場へ割り当てる方針としています。これにより、マレーシア工場は急ピッチでの建設を必要とせず、新規プロジェクトの量産開始時期に合わせたスケジュールで進行することとなり、2026年6月頃に本格的な量産開始を予定しています。